10月26日、林野庁北海道森林管理局主催のシマフクロウシンポジウムを拝聴しました。
北海道森林管理局のこれまでの保護の歩みや現在の活動をシマフクロウを軸に報告されていました。
木の伐採方法、時期等のシマフクロウが生息する環境をより良く保つための配慮がなされていることをしりました。また、取り組みはシマフクロウだけではなく、私たち、北海道に暮らすひとたちにも大切な取り組みだと感じました。
道東エリアの3つ森林管理所から報告がありましたが、北海道は広く、管理している国有林の環境、取り巻く状況も異なるものと思います。
そのため現場に合わせた対応を専門家と丁寧に話し合い、検討し実践されているようでした。
行政が取り組み方法等を変更させるには、難しい点も多いかと思います。
森林管理局は、森を守っていることから木の成長のように長い期間を踏まえ、未来を見据えた取り組みがなされているようでした。
シマフクロウが暮らす森を守る仲間として、シマフクロウ基金もこれからも行政の皆様とともに歩めたらと思います。
保護現場の最前線を歩み続ける当会の理事たちも登壇されました。
【基調講演】
当会の理事であり、シマフクロウ環境研究会の竹中氏。
「シマフクロウと国有林-対立の過去から共存への道のり、そして未来へ-」
と題されたお話で、北海道森林管理局とシマフクロウ保護がどのように歩んできたのか、また現在の取組み等、実際の事例を含め分かりやすくお話されており、とても勉強になりました。
「昨日の敵は、今日の友」
短い言葉ですが強く印象に残っています。
相互の理解と信頼関係がないと公の場でいうことは難しいです。
このシンポジウムでは語り尽くせないほどの、ぶつかりや歩み寄り、丁寧な話し合いを時間をかけ繰り返したのかと想像しました。
私は、シマフクロウ基金の会員としてシマフクロウの保護に少しばかりお手伝いをさせていただくようになったばかりですが、正直、その中であっても全てが上手く行くわけでもありません。
「昨日の敵は今日の友」
この言葉があると、今は上手く行かないことも変わるかもしれない、今問題とされている事も、大きなチカラになるかもしれないと思えました。
【パネルディスカッション】
当会の山本副理事、早矢仕理事、竹中理事が登壇し、
「国有林のシマフクロウ保全の取組を検証し、これまでの取組と今後の関係機関等との連携を探る」と題されたテーマで
林野庁北海道森林管理局、国土交通省北海道開発局、環境省北海道地方環境事務所とともに話し合われました。
行政機関、専門家、研究者が、協力し、話し合いこれからも課題が一つ一つ達成されて行くのではないでしょうか。
それにしても、、
やはり、国有林の取組30年、シマフクロウの保護増殖事業も40年ほど。
これだけ、時間をかけた取組が継続されていること、頭が下がります。何事も継続することは、簡単なことではありません。
シマフクロウの生命力がそれに応えるように、生息数を徐々に回復させています。
シマフクロウはその地に定着し、個体自体もとても長生きです。様々な環境を使い生息するシマフクロウを守ることは、シマフクロウだけではなく、北海道の自然を守っていくことにもなります。みんなで話し合い、これからもより良いを考え、進めていけることを願います。
林野庁森林管理局のシマフクロウ保護について
会場の一角には博士監修のもと、みんなで作成した環境省のシマフクロウ保護事業紹介パネルも展示されていました。
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