10月末にアメリカで開催された「世界フクロウ会議」に参加してきました!
この研究会議は、世界各国からフクロウの研究や保護に関心のある人達が集まる発表会で、不定期に行われています。今年は第7回で、私は2000年の第3回(キャンベラ)以来久しぶりの参加となりました。今回は発表無しの聴講だけだったのですが、所属を「Blakiston's Fish Owl Fund(シマフクロウ基金)」で参加してきました。
4日間にわたって、世界各国の各種フクロウの研究発表を楽しみました。各種の分布状況の変化、繁殖生態、環境利用、渡りをするフクロウ類の移動ルート、遺伝的研究、鳴き声、羽根模様、調査方法、人との関わり、など様々な発表や報告が約70題ありました。
ひとつの会場でみっちり各フクロウの話題を聞きます
ワシミミズク音声研究
スロベニアのフクロウ(エゾフクロウと同種)の話題
ポスター発表(シロフクロウ雛の成長ステージ)
世界各地のフクロウ類は分布の減少が色々と報告されており、また温暖化による影響を考える発表も多かったです。今後のシマフクロウの研究や保護を考える上でも参考になる話題がいくつもありました。また、広い大陸での分布調査や渡り移動、ヨーロッパ各国にまたがる調査であるがゆえ、研究者間の情報交換や協力が積極的に行われているのも印象的でした。
ランチは会場でビュッフェしながら議論、夜はホテルのバーに毎晩集まり熱くフクロウ談議を交わす、フクロウ漬けの4日間でした。
毎晩の飲み友達
参加者の皆さんシマフクロウのことは興味を持っており、現状どうなってるの?と質問攻めでした。20年前の会議の時はシマフクロウの危機的状況を訴えるのが主でしたが、今回の会議では、「みんなで頑張って保護してきたから、シマフクロウは数が昔のダブル、トリプルまで回復してきたよ~」と喜んで報告ができ、皆が、Wow! Fantastic! と言ってくれたのが、とてもうれしかったです。
バーが閉店してもロビーでまだ飲むフクロウ人たち
どんなシマフクロウ保護をしてきたのか関心を持つ人が多く、巣箱の効果や餌資源のこと、バンディングで明らかになった定着性や寿命など生態的特性と共に、昔は敵対していた森林行政や開発行政とも今は調整協力しながら生息地保全に取り組んでいること、行政や市民の魚道の整備、専門家が集まってNPOを結成したこと、など最近の話題をいろいろと話をしてきました。
各国の熟練の研究者と共に、若い学生さんたちともガヤガヤ交流したことで、この数十年のあいだ走り続けて忘れかけていた様々な思いを、いろいろ思い出しました。刺激とエネルギーを頂けた世界フクロウ会議でした。
いつか北海道に、このWorld Owl Conferenceを誘致して、皆のシマフクロウ調査や保護の取り組みの成果を世界に向けて発信できたらいいな、と思いました。
夢の一つといたします。
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