-基金のブログでは、会員が参加する各関係機関のシマフクロウの保護活動についても、ご紹介していきます-
今年も環境省のシマフクロウ保護の代表的な活動の一つ、「巣箱架け」が始まりました。シマフクロウが巣に使う大きな樹洞木はとても少ないので、その替わりとなる巣箱を架けるのです。現在生息するシマフクロウの多くが巣箱を利用して子育てしています。
世界最大クラスのフクロウの巣箱は、とにかくデカい!ドラム缶より一回り大きいです。主な素材は強化プラスチックですが、それでも重さは20kg前後になります。
10月12日某所。今年、新たに見つかった生息地に2つの巣箱を架けました。(当基金の理事でもある)竹中博士をリーダーに、各地から作業メンバー(多くは基金の会員でもあります)が集まり環境省の専門調査員として、2チームに分かれての作業です。この設置作業には、事業の実施者である環境省(北海道環境事務所と近隣エリアを担当するレンジャーの方々)と、森林管理署の方々(森での作業に慣れておられるので、いろんな場面で手助けしてもらっています)も参加され、皆で楽しく作業を進めました。
(力強い助っ人、森林管理署の方々。環境省事業ですが…)
巣箱架けの主な工程は、①巣箱を樹上に持ち上げる、②巣箱を針金で固定する、③巣材を入れる、④アタッチメントを付ける、という流れです(アタッチメントとは、天敵であるクロテンの巣内への侵入を防ぐためのものです)。もちろん「木登り」は必須で、地上メンバーとの連携で作業を進めます。
(巣箱を引っ張り上げます)
樹上で宙づり状態のまま巣箱を針金できつく固定する作業はとても難しいです。地上での作業とは違って踏ん張りが効かないので、初めて樹上での作業を経験した時は、どうしたらいいのか分からずに途方にくれたものです…。今でも、苦戦の連続です…。体中がアザだらけにもなりますが、近い将来、シマフクロウがこの巣箱を使ってくれる…と思うと、力が湧きます。
(針金で木に固定します。宙づりだとこれが大変)
(環境省部隊で巣材の確保。周辺の腐れ木から木屑を集めます)
作業を終えて樹上から降りる間際に、シマフクロウが見るであろう光景を写真に収めるのが私の密かなお楽しみ。彼らと同じ目線で森を眺め、彼らが安心して子育てできることを願うのです。
(シマフクロウ目線)
巣箱に関連する作業は、北海道内の各地で雪が降り積もる12月まで続きます。
(これまで百数十の巣箱を設置している竹中博士は、さすが安定・迅速な作業でした!)
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